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2010年12月 5日 (日)

常用漢字

先日、家の近所の飲み屋の大将が
「なんか、常用漢字ってのに『岡』とか『奈』とかが追加されるってニュースがあったけど、そんな字が常用漢字に入ってなかったんが驚きや」
というようなことを言いました。
私は漢直(漢字直接入力)を始めた頃から漢字に関心を持っていたので、今回の常用漢字の改訂も3年位前から情報を追っていました。
何といっても今回の改訂は、1981年以来の大改定なので世間から意見が集められたり、有識者が侃々諤々の議論を交わしての改定です。
今回の改訂で特に注目されているのは、「都道府県の漢字が常用漢字に追加される」ということです。

「阪」「鹿」「奈」「岡」「熊」「梨」「阜」「埼」「茨」「栃」「媛」

これらの字は今まで常用漢字外の字でした。
なので、「大阪」や「鹿児島」や「奈良」という字は常用漢字の範囲では書けませんでした。
常用漢字は文字通り、「常用する漢字の目安(※)」なんですが、「固有名詞は対象外」という原則があるため、固有名詞以外で頻度の低い上記の字は常用漢字に入っていません。
全くナンセンスな話ですね。
(※)正確には「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」です。
そこで今回の改定では「公共性が高い都道府県名については例外」ということで常用漢字に追加されることになりました。
上記の字も含め今回は196字を追加、5字を削除することになったので元の1945字から2136字に増えることになった常用漢字ですが、このことでどんな影響を受けるでしょうか?
私個人の意見としては「ほとんどない」と思っています。
普段我々は漢字を書くときに常用漢字かどうかを考えながら書いていませんし、PCを使って文章を書く場合はIMEが常用外の漢字だろうが勝手に変換してくれるからです。
ただ、中学生までの生徒は多少影響を受けるかもしれません。
というのも、中学生までの学習カリキュラムとして漢字の範囲は常用漢字の範囲となっているからです。(小学生はそれらのうち1006字が学習漢字としての範囲となっています)

また、常用漢字については「字」だけでなく「読み」についても範囲を定めています。
例えば、「育」という字は常用漢字ですが「イク」とか「そだ・てる」という読み方は今まで常用漢字で定められていた「読み」です。
そして今回この字の「はぐく・む」という読みが常用漢字に追加されました。
つまり、「育てる」という読みは常用漢字の範囲内なので中学までのカリキュラムで必ず習う読み方なのですが、「育む」という読みは中学までには習わなくても良い読み方なのです。
そういった中で注目されているのは「私」の読みです。
今までの常用漢字では「私」は「シ」または「わたくし」しかありませんでした。
そして今回、「私」に「わたし」という読みが追加されました。
意外に思われるかもしれませんが、自分はこの話、非常に納得しています。
というのも、自分が学生時代に「ビジネスマナー」のような講座の中で

「自分のことを『わたし』というのはビジネスの場ではふさわしくない」

と教わったからです。
「えー、なんで?」と思ったので印象に残っています。
その先生は「『わたし』ではなく『わたくし』というのが正解だ」と仰ってました。
「『わたし』は女性が使う少しくだけた一人称で、男性が『ぼく』というのに等しい」とも仰ってました。
しかし、現在ビジネスの場で男性の一人称は「わたし」というのがほとんどです。
(少なくとも私の周りではそうです)
それが今回の改訂で「わたし」という読みが常用漢字に入ったことで「お墨付き」をもらったような感じです。

最後は少し常用漢字の話からずれてしまいましたが、日本人として避けて通ることのできない「漢字」。色々と興味の尽きない分野ですね。

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コメント

私にとって常用漢字が増えるのは嬉しいですが、それでも常用漢字でありながら仮名書きされているのが多く見えます。

 子供    → 子ども
 作る    → つくる
 新しい   → あたらしい
 使う    → つかう
 欲張り   → よくばり
 始まる   → はじまる
 初めての  → はじめての
 ○○中   → ○○じゅう
 ○○の中で → ○○のなかで
 最も     → もっとも
 予め    → あらかじめ
 今日    → きょう
 明日    → あす、あした
 昨日    → きのう
 今朝    → けさ
 今年    → ことし
 朝     → あさ
 昼     → ひる
 夜     → よる
 無駄    → ムダ
 普段    → ふだん
 普通    → ふつう
 多分    → たぶん
 知ってる  → しってる
 一番    → いちばん
 例えば   → たとえば
 譲る    → ゆずる
 合わせる → あわせる
 招く    → まねく
 薄毛    → うす毛
 随分    → ずいぶん、ずい分
 同士    → どうし
 自分    → じぶん

等常用漢字でありながら仮名書きされている表記が非常に目立ちます。
「子供」にいたっては「供」が「お供え物」「大人の付随物」というマイナスイメージで
「子ども」という表記を用いられているようですが、それでも常用漢字であることには変わりないので、
そういうマイナスイメージに負けずに「子供」と表記してほしいです。

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